地図の源
 地図に関わってきた私たち土地家屋調査士の制度が誕生して50年を迎えました。記念すべきこの年は、伊能忠敬が日本地図を作るため測量の旅に出発してから丁度200年になります。
 伊能忠敬も丸い地球を平らな地図として表すことに随分苦労したようですが、現在では、地図の多くは全国を座標系と呼ばれる19の区域に分け、それぞれを平面とみなして作製されています。
 今、あなたが立っているこの位置(東経131度00分00秒、北緯33度00分00秒)は、九州の大部分を含む座標系(平面直角座標系第U系)の中心です。
 座標系の中心を原点といいますが、―つの座標系の中にある、例えば学校や病院、あるいはあなたが住んでいる家の位置は、この原点からの南北方向の距離と、東西方向の距離で表すことができます。これらを平面上に表示することにより地図が作られます。いわばこの原点は「地図の源」と言えます
 これらの座標系の基となる日本測地系と世界測地系の経緯度が、人工衛星を使った測量により、ずれていることが判明いたしました。現在、これを―致させる作業が進められています。その結果、この原点の位置が約400m南東に移動することになります。
 そこで、土地家屋調査士制度制定50周年にあたり、永い間「地図の源」となってきたこの原点を、記念の碑として後世に残したいと思います。
2000年10月1日
熊本県土地家屋調査士会

土地家屋調査士制度制定50周年記念事業協賛者御芳名